平日昼間の空席を埋める時間帯割引のつくり方|値下げではなく「枠の値付け」で考える
土曜の午後は予約を断っているのに、火曜の昼間はぽっかり空いている。サロンの売上を決めるのは、実は単価や客数の前に、この稼働の偏りです。空いた枠の売上はゼロ。その時間の家賃も人件費もかかっているのに、です。
先に結論です。埋まりにくい曜日・時間帯だけを少しお得にする「時間帯割引」は、全体の値下げとはまったく別の打ち手です。 うまく設計すれば、混む時間の売上を守ったまま、空いていた枠が売上に変わります。この記事では、考え方と割引率の決め方、自動で適用する仕組みを説明します。
値下げとのちがい——「いつ来るか」だけを動かす
料金を全体に下げると、もともと土曜に来ていたお客様の支払いも下がります。売上を削って客数を買う、苦しい打ち手です。
時間帯割引が動かすのは「いくら払うか」ではなく「いつ来るか」です。
- 予定に融通が利くお客様(主婦の方、シフト勤務の方、学生)が、空いている時間帯へ動く
- 混む時間帯の枠が空き、定価で来たいお客様を断らずに済む
- 空いていた枠の売上は、割引後でもゼロよりはるかに大きい
つまり、割引の原資は「どうせ空いていた枠」です。ここが全体値下げとの決定的なちがいです。
割引率の決め方
| 考えること | 目安 |
|---|---|
| どの枠を対象にするか | 予約実績を見て、埋まり率の低い曜日×時間帯にしぼる |
| 率か、額か | 客単価が高いメニュー中心なら率、わかりやすさ重視なら額 |
| どのくらい下げるか | 動機づけになる最小限から。10%前後で試して反応を見る |
大切なのは、対象の枠をしぼることです。「平日全部10%オフ」のような広い設定は、動かさなくていいお客様まで動かします。データで埋まりにくい枠を特定し、そこだけに絞る。分析画面が稼働の谷を教えてくれるなら、それに従うのが早道です。
自動で適用する仕組み
時間帯割引の運用でいちばん危ないのは、手動の値引きです。「この時間は割引だっけ?」を人が覚えている運用は、請求ミスと不公平のもとになります。
たとえば SalonWise では、曜日×時間帯と割引(率または額)を設定しておくと、その枠に入った予約の料金へ自動で反映されます。お客様が予約するときから割引後の料金で案内されるので、会計時の手動値引きも「言った・言わない」も起きません。設定した枠以外は定価のまま、はっきり分かれます。
気をつけること
- 常連の方の枠を荒らさない。いつも定価で来てくださる方の来店時間帯を割引対象にすると、単価だけが下がります。対象は本当に空いている枠だけに
- 「安いから行く店」にしない。割引はあくまで時間帯の誘導。広告の主役にはせず、予約画面でさりげなく分かる程度に
- 期限を決めて見直す。埋まり方が変わったら、対象の枠も変える。付けっぱなしにしない
よくある質問
割引すると、定価の時間帯のお客様に不公平ではありませんか?
映画館のレイトショーや飲食店のランチと同じ、時間帯による値付けです。「空いている時間はお得」は広く受け入れられている考え方で、こそこそする必要はありません。堂々と、ただし静かに案内するのがちょうどいい距離感です。
どのくらいで効果が分かりますか?
対象の枠の埋まり率を、設定前後で比べてください。1〜2ヶ月あれば傾向は見えます。動きがなければ、割引率よりも先に「対象の枠がお客様の動ける時間帯か」を疑ってください。
クーポンとどう使い分けますか?
クーポンは「誰に」(誕生日の方、久しぶりの方)、時間帯割引は「いつ」を動かす道具です。役割が違うので併用できますが、重ねがけで単価が崩れないよう、重複時の扱いは決めておいてください。
まとめ
- 空いた枠の売上はゼロ。時間帯割引の原資は「どうせ空いていた枠」
- 全体値下げは支払いを下げる、時間帯割引は来店時間を動かす。別の打ち手
- 対象はデータで埋まりにくい枠だけにしぼる。広くかけない
- 適用は自動にして、手動値引きの請求ミスと不公平をなくす
- 時間帯割引を含む機能の全体像はできること一覧で確認できます